昨日のワールドビジネスサテライトの来年のとんでも予想というコーナーで
「コロナ特効薬で株価暴落」
という、とんでもない予想をしてました😎
この予想に対して…
コロナの特効薬が出ればいいことのはずなのになぜ今の株価が暴落するの?と思うのか、
やっぱりコロナの特効薬が出ると今の株価は暴落になるのか…と妙に納得するのか?
あなたはどちらですか?
後者の方に妙に納得できる人は今のマーケットがちゃんと理解できている人です
今の異常な株高がなぜ起きているのかを整理しておくといいですね🥸
今の日経平均株価は日経平均の最安値から最高値までの61.8%戻しのいわゆる黄金比率水準の27645円がひとつの基準値になってて、そこから大きく離れることなく続いてるよね
ちょっと気味悪いほどこの27645円の呪縛から動けない感じ…
で、一方で今の日経平均株価水準は株価収益率(PER)25倍の呪縛を超えられないという話もあります
日経平均株価は1株あたりの純利益×PERという計算式になります
今期の日経平均採用銘柄の企業の1株あたり予想当期純利益は…およそ1070円です
この1070円というのは、日経平均採用銘柄の225社の今期(2021年3月期)の予想当期純利益をぜ〜んぶ足した合計額を、同じくこの225社の発行株式数をぜーんぶ足した合計数で割り算すると出てくる値
この1株当たりの利益のことをEPSと言います
つまり、
日経平均株価=EPS×PERってこと
前期(2020年3月期)のEPSはどれぐらいだったかと言うと…
確か前期は1500円ぐらい
これは何を意味するかというと、コロナ前のEPSは1500円で、コロナ後のEPSは1000円ちょっと…
コロナの影響で企業の儲けはたった1年で3分の1も吹っ飛んだ😵😵😵
そりぁ、日経平均採用銘柄でもほぼ減益予想だし、全日本や日産やJRなんかはとんでもない赤字になってるから、日経平均採用銘柄という日本を代表する企業集合体の利益が3分の1吹っ飛んだのは納得かと…
むしろよく3分の1ぐらいで済んでるのがスゴいみたいな…
で、今のPERってこんな感じ
12/18終値26763円÷1070円=24.99倍
これってどういうことかというと、
今の株価は、今期1年の儲けの25倍の価値がある〜みたいな
これは異常値😫こんなことはあるはずない
このPERの正常値は14〜16倍
て、アベノミクスからコロナ前までの日経平均PERってだいたい12〜13倍で、いつも日本企業の稼ぐ力の割に株価が低すぎる〜とか割安〜とか言われてました
このPERは企業の稼ぐ力と株価のバランスを見る指標ということ
業種にもよるけど、正常値が14〜16倍ということは、企業の稼ぐ力の14倍〜16倍の株価というのが一般的に普通の水準って感じ🙄
これがコロナ前までは12倍とか13倍だったから、日本株は評価が低すぎると言われてた
ところが、今は25倍🤮
ぶっ飛んだ数値ということがお分かりいただけますよね
今の株価は企業の稼ぐ力に対して評価が高すぎるという状態、つまりめちゃ割高ということになります
ただ、
株価というのは常に先の見通しでついているもので、今期の利益水準とかもうどうでもいいってことになってるのが実情🤔
実は来期の1株当たり当期純利益の見立ては今期に比べて50%の増益が見込まれてます
つまり、EPSは1070円の水準が1600円ぐらいになる…みたいな
すると、今の日経平均株価でこの予想EPSを割り算して出てくるPERは…
26763円÷1600円=16.7倍で正常値のほぼ上限ということ
今の日経平均は来年にはコロナも終息して、企業の稼ぐ力はコロナ前の水準に戻るという見立ての株価になっている〜みたいな
たった1年で人の移動が以前のように戻って、飛行機やJRがまともに動く???
あり得ないと思うけどね…
それと今の円高も来期の企業業績にはマイナスの影響が必ずあるよね
今の輸出企業の想定為替レートは平均で106円ぐらいだから為替差損でトヨタとかも利益を押し下げることもあるだろうし
ま、マーケットは来年にはコロナなんて大した病気じゃなくなるから経済活動も元に戻って、利益もV字回復〜を織り込んだ超楽観シナリオの株価水準が現在の状況ということ…
それもこれも、お金ジャブジャブ状態だから株式投資を正当化したいだけの話のような気がしますが…
で、結果的に今の日経平均の水準はPER25倍が上値になってるという話
確かに、11月以降日経平均が急上昇し始めてPERの推移を見ると…
PER25倍ちょうどの水準になるとそれ以上日経平均は上昇しないという状況です
今年の日経平均最高値の12/9の26817円の時のPERはちょうど25倍でした
ここをピークに24.8倍とか24.9倍とかの動きで、ここ3日間は24.96倍、24.94倍、24.99倍という推移で25倍の壁を超えてません
と、いうことで、
今の日経平均株価は今期の企業の稼ぐ力の25倍もの評価をしている異常値だけど、逆に言えばこの25倍までの評価が現状の限界点なのか?みたいな
それが黄金比率の株価水準と偶然にも一致してるのか?
って話でした
不景気なのに今の日経平均って高すぎない?なんて良く聞かれますが…
実態経済はさておき、マーケット的には、
来期は日本経済はコロナに打ち勝って、コロナ前の水準まで企業収益が回復する!という見立てでついている数字です…というのが的確な答えになるかと…
ここで、ワクチンに加えて、コロナ特効薬が出てくると…
コロナ対策で大盤振る舞いの世界の金融緩和政策がそろそろ出口の話になって、ゼロ金利政策は解除されて、ジャブジャブな資金供給も止まって…
株価は逆に暴落するでしょうね…
経済回復期待のピークが株価のピークでそれが事実となるようなニュースが出ると株価はピークアウトしていく
まさに
「噂で買って事実で売られる」
マーケット的にはコロナ特効薬は出てこない方が、期待感が持続する=株高が継続するんでしょうね…
恐ろしい世界です🥵🥵🥵
今の株高はいつまで続くの?
と、聞かれたら…
「コロナの特効薬が出たら終わりでしょうね」